食道の知っとく情報

◆食道のしくみと健康な食生活

食道(Esophagus)は、消化管の一部で、口腔、咽頭に続き、食べ物が胃に送り込まれるときに通過する管状の器官のことです。

人間の食道は、成人で25~30 cm前後の長さがあって、口から飲み込んで食道に入った物は、液体状の物は数秒程度で、固体状の物は途中でひっかかるようなことが無ければ数十秒もあれば食道を通過して胃へと送り込まれます。なお、食道で食物の消化は行われません。

食道の部位

食道(Esophagus)は消化管の一部

くびの部分では気管の裏側を通り、胸では心臓の裏側を大動脈に沿って腹部へと下がっています。
食道の壁は粘膜、筋層、外膜で構成され、粘膜のいちばん内側は扁平上皮細胞から成っています。

胃や大腸とちがって食道の粘膜には筋層をおおうじょうぶな漿膜(しょうまく)がありません。

食道の不調と生活習慣

直接の原因は不明ですが、統計上、食道の不調をうったえる方には、喫煙歴、飲酒歴の長い人が多く、熱い飲食物を摂取する習慣のある地方で不調の発生率が高いという報告がされています。

アメリカでは、酒・たばこ・コーヒーを避けるモルモン教徒はアメリカ全体の平均より不調発生率が低く、逆に酒・たばこの消費量の多い黒人で発生率が高くなっています。

日本では、奈良県、和歌山県の山間部で、熱い茶がゆ、わらびや山菜の漬物を毎日食べる人は、食べない人に比べて発生率が明らかに高いといわれています。

食道の不調をおこさないためには、こうした危険因子を、ひとつひとつ避けるようにしたほうが賢明と思われます。

つかえ感などの状態がつづく場合には、消化器を専門とした内科、外科を受診する必要があります。

近年、市町村や職場で、食道、胃の集団検診が広く行われるようになって、かなり早期に発見されています。
年1回は、定期的に受けるようにしましょう。

定期的に検診しましょう

食道の術後と日常生活

◆手術後の日常生活上の注意

高齢の方が多く、生理的に心肺機能が低下していることが多いものです。
あせらず、徐々に生活にならしましょう。

また、本人は、精神的に弱くなっていることが多いので、家族の温かい精神的フォローアップは非常に大切です。


◆日常生活の注意点

<食事について>
すぐは、食べられる量も少なく、つかえる感じがしたり、むせたりすることもありますが、しだいに慣れてきます。
食事は、回数を多めにしたり、時間をかけてゆっくりとるなどしましょう。


<運動について>
胸や背中に痛みが残ることがあります。
とくに、季節の変わり目、雨や天気の悪い日などに強くなる傾向がありますが、どこか悪くて痛いわけではないので心配いりません。個人差はありますが、日がたつにつれて痛みも徐々に軽減するので、散歩や軽い体操、腕や肩の関節の運動など、適度の運動で体力をもどしましょう。

適度の運動が大切


軽減させるためのくふうとしては、カイロ、湯たんぽ、あんかなどで温めたり、湿布、軟膏などを使うのもよいでしょう。
入浴(熱い湯や長湯は避ける)も効果的です。