知っとく情報 人工肛門

◆人工肛門とは健

腸管の一部をお腹の壁を通して外(皮膚)に出して、肛門に代わって便の出口としたものが人工肛門です。

1~2センチメートルほど皮膚から腸管が突き出た形になります。
ストーマとは、ギリシャ語で「口」を意味する言葉です。

◆人工肛門の種類

人工肛門は、作る目的と場所、その形によって、いくつかに分類できます。

「直腸切断術」の時の人工肛門(永久的人工肛門)以外に、腸が詰まって便が通らずにひどい腸閉塞を起こしたときや、大腸の手術後に縫合不全が起こったときなどに、一時的に人工肛門を作る場合(一時的人工肛門)があります。

人工肛門は、小腸(回腸)に作る場合と、結腸に作る場合があります。
また、その形によって、単孔式(終末式)と双孔式(ループ式)に分けられます。

永久的人工肛門のときは単孔式が、一時的な人工肛門のときは双孔式が多いですが、病状に合わせて選択されます。

人工肛門は、本来の肛門のように括約筋によって“しめる”“ゆるめる”をコントロールすることができません。

そのため、便やガスがいつ出るかわかりません。
便の受け皿として専用の袋(パウチ)を人工肛門の先端に常に着けて、排便を管理する必要があります。

◆人工肛門造設後の注意

手術後は大腸が短くなったことにより水分の吸収能力が低下しやすくなっています。
左半結腸切除術は糞便形成を行う部分がなくなるため、軟便や下痢になりやすいです。

直腸下部の手術でストーマ(人工肛門)を造設し、排便経路を変更した場合、今までの排便のコントロール機能を喪失します。

直腸に一時的に溜めて、肛門活約筋の働きによりある程度自分の意思で時と場所を選択できていた排泄行為が、腹壁から便やガスがいつ排泄されるかわからない状態となります。

また、下痢や便秘などの排泄異常も経験します。
そして、これらの機能障害に対して、排便の調整など自己管理を要するようになります。

また、常時装着しておく装具によるストーマ周囲の皮膚などのトラブルやストーマがせばまったり、脱出など術後の晩期合併症を起こしやすくなります。

さらに、ストーマを造設した方は排泄のみでなく、食生活をはじめ、日常生活全般にストーマ造設による影響を経験します。

ストーマを造設した方はは、術前より、ストーマについての説明やストーマ・ケアの方法、日常生活の
注意点などについて指導を受けます。

例えば、ストーマ周囲のスキントラブルの予防方法や洗腸法保、ストーマ用品の購入方法などです。
しかし、実生活に戻り、現実問題としてご本人はさまざまな事態に遭遇します。

排泄のことは食事と異なり、なかなか他の人に相談しづらいものですし、ストーマがあるということ自体を他の人に知られたくないと考えている人も多いです。

また、性生活についての悩みも他の人には話しにくいことです。


◆人工肛門の管理

自然の肛門と違って、人工肛門には肛門括約筋(こうもんかつやくきん)(肛門を開閉する筋肉)がありませんから、自分の意思で排便をがまんしたり、便を出したりすることができません。

したがって、不随意な排便にわずらわされることなく日常生活を快適に送るためには、人工肛門の管理方法を十分に取得しなければなりません。

●装具

不随意にでてくる便をためておくための装具が人工肛門の外側につけられます。
この装具は、袋状の蓄便部(ちくべんぶ)と、人工肛門周囲の皮膚にこの袋を接着固定させる部分からできています。

装具が皮膚に接する部分には、皮膚保護剤が使われ、材質や形状などがさまざまに工夫されたものが市販されています。

●スキンケア

人工肛門周囲の皮膚は、便や便中の細菌、また装着具そのものの刺激を受けて、皮膚炎などの皮膚障害がおこりやすくなります。

とりわけ回腸人工肛門は、排便される便が液状で消化酵素がふくまれているため、皮膚につくと、ひどいただれをおこします。

ひとたび皮膚炎をおこしてしまうと、たいへんなため、皮膚の清潔を保つなど、予防的なスキンケアをおこなうことが重要です。

●洗腸法

結腸人工肛門で行われる排便調整法のことです。
人工肛門からぬるま湯を注入し強制的に便を排泄させるもので、いわば浣腸の一種です。

定期的に行うことで不随意な排便から開放されます。
ただし、人工肛門の種類によってはできない場合もありますので相談してから実施します。

●人工肛門のトラブル

よくみられるトラブルには、
・人工肛門が細く狭くなって便が出にくくなる(狭窄きょうさく)、
・腸が筒状に飛びだす(腸脱出)、
・人工肛門の周囲が膨らむ(傍ストーマヘルニア)、
・人工肛門からの出血
などがあります。

また、皮膚のしわがじゃまでうまく装置が装着できないとか、人工肛門の位置が悪くて管理しにくいというトラブルもあります。

わからないことは医師や看護師に