肝臓は、私たちの体の中でさまざまな重要な働きを担っている臓器です。
食事から取り入れた栄養素の利用や、体内に入った物質の処理、胆汁の分泌など、毎日の健康を支えるさまざまな役割があります。
一方で、肝臓の状態は普段の生活だけでは気づきにくいこともあります。そのため、健康診断などを利用して定期的に状態を確認することも大切です。
この記事では、肝臓の基本的なしくみや役割、代表的な検査方法、日常生活で意識したいポイントについて、わかりやすくご紹介します。
※この記事は、肝臓についての一般的な健康情報を紹介するものです。病気の診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがある場合や、医療機関から指示を受けている場合は、医師などの専門家にご相談ください。
肝臓はどこにある?
肝臓は、体の右上腹部にある大きな臓器です。
肋骨に囲まれるような位置にあり、体の中でも比較的大きな臓器として知られています。
肝臓は「肝細胞」と呼ばれる細胞が集まって構成されています。
私たちが毎日の食事から取り入れる栄養素を利用するための処理や、体内に入ったさまざまな物質の処理など、多くの働きに関わっています。
肝臓にはどのような役割がある?
肝臓には、主に次のような働きがあります。
栄養素の代謝に関わる
食事から摂取した炭水化物、たんぱく質、脂質などの栄養素は、そのままの形で利用されるだけではありません。
肝臓では、これらの栄養素を体内で利用・貯蔵しやすい形にするなど、さまざまな代謝に関わっています。
私たちが食事から得た栄養を体の中で利用するために、肝臓は重要な役割を担っています。
体内に入った物質の処理に関わる
肝臓は、体内に入ったさまざまな物質の処理にも関わっています。
「肝臓=解毒」というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実際には単純に有害物質をすべて消してしまうという意味ではありません。
肝臓では、体内に入った物質を化学的に変化させるなど、体が利用・排出できるようにするためのさまざまな処理が行われています。
胆汁をつくる
肝臓では「胆汁」と呼ばれる消化液がつくられます。
胆汁は胆のうに蓄えられた後、必要に応じて十二指腸へ送られ、脂肪の消化・吸収に関わります。
このように、肝臓は消化に関わる働きにも重要な役割を持っています。
肝臓の状態を調べる主な検査
肝臓の状態を確認するためには、血液検査をはじめ、超音波検査やCT検査など、さまざまな検査があります。
どの検査を行うかは、健康診断の結果や症状、医師の判断などによって異なります。
ここでは代表的な検査についてご紹介します。
血液検査
健康診断などでも行われることが多いのが血液検査です。
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GT(γ-GTP)などの項目は、肝臓の状態を確認する際に利用されます。
ただし、検査値だけで病気の有無を自己判断することはできません。
基準値から外れていた場合や、以前と比べて数値に変化があった場合には、健康診断の結果を持って医療機関に相談することが大切です。
超音波検査
超音波検査は、腹部に超音波を当てて、肝臓などの状態を画像で確認する検査です。
検査では腹部にゼリーを塗り、プローブ(探触子)を当てて観察します。
一般的には放射線を使用せず、体への負担が比較的小さい検査として利用されています。
生検(バイオプシー)
生検は、肝臓の組織の一部を採取し、顕微鏡などで詳しく調べる検査です。
必要に応じて、超音波などで確認しながら組織を採取します。
画像検査や血液検査などだけでは判断が難しい場合に、病変の状態を詳しく確認する目的で行われることがあります。
実施するかどうかは、検査結果や患者さんの状態などを考慮して医師が判断します。
CT検査
CT検査は、X線を利用して体の断面を撮影し、肝臓を含む腹部の状態を詳しく確認する検査です。
必要に応じて造影剤を使用することもあります。
CT検査によって、超音波検査とは異なる角度から体内の状態を確認できます。
検査方法や造影剤を使用するかどうかは、検査の目的や体の状態によって異なります。
血管撮影検査
血管撮影検査では、カテーテルと呼ばれる細い管を血管内に入れ、造影剤を使用して血管の状態を画像で確認します。
肝臓周辺の血管を詳しく調べる必要がある場合などに行われる検査です。
検査には専門的な設備や管理が必要となるため、必要性については医師が判断します。
肝臓の健康を考えるときに意識したい生活習慣
肝臓の健康を考えるうえでは、特別なことだけではなく、毎日の生活習慣を見直すことが大切です。
バランスのよい食事を心がける
毎日の食事では、特定の食品だけに偏るのではなく、主食・主菜・副菜などを組み合わせ、さまざまな食品をバランスよく取り入れることを意識しましょう。
野菜、魚、肉、卵、大豆製品、海藻、きのこなど、いろいろな食品を組み合わせることが基本です。
「肝臓によい食品を一つだけ食べればよい」と考えるのではなく、食事全体のバランスを見ることが大切です。
お酒を飲みすぎない
飲酒習慣がある場合は、飲みすぎないようにすることも大切です。
飲酒量や頻度が気になる方は、普段どのくらい飲んでいるのかを一度振り返ってみましょう。
また、健康診断などで肝機能に関する数値を指摘された場合は、自己判断だけで済ませず、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
適度に体を動かす
運動不足にならないよう、日常生活の中で無理なく体を動かすことも健康管理の基本です。
ウォーキングなどの有酸素運動だけでなく、日常の歩行や家事なども身体活動に含まれます。
いきなり激しい運動を始める必要はありません。
自分の体力や生活スタイルに合わせて、無理なく続けられる活動から始めることがポイントです。
体重や生活リズムにも目を向ける
食事や運動だけでなく、睡眠や休養などを含めた生活全体を見直すことも大切です。
毎日の生活リズムが大きく乱れていないか、食事の時間や量が偏っていないか、体を動かす機会が減っていないかなど、一つずつ振り返ってみましょう。
健康診断を定期的に受けることも大切
肝臓は、普段の生活の中では状態の変化に気づきにくい場合があります。
そのため、自覚症状がないから大丈夫と考えるのではなく、健康診断などを利用して定期的に健康状態を確認することが大切です。
血液検査などで気になる結果が出た場合は、数値だけを見て自己判断するのではなく、医療機関で相談しましょう。
特に、過去の検査結果と比べて変化がある場合には、その変化を確認することも重要です。
毎日の生活から肝臓の健康を考えよう
肝臓は、栄養素の代謝や胆汁の分泌、体内に入ったさまざまな物質の処理など、私たちの体を支える多くの働きに関わっています。
肝臓の健康を考えるときには、
・バランスのよい食事を心がける
・お酒を飲みすぎない
・適度に体を動かす
・十分な休養をとる
・健康診断を定期的に受ける
といった、毎日の生活習慣を一つずつ見直していくことが大切です。
特別な方法だけに頼るのではなく、日々の生活を無理なく整えていくことから始めてみましょう。
健康診断などで肝臓に関する数値を指摘された場合や、体調について気になることがある場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。
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