「胃がむかむかする」「食べ物のにおいで気持ちが悪くなる」「吐いたあと、何を食べたらよいかわからない」
吐き気や嘔吐があると、食事や水分補給が難しくなり、日常生活にも影響が出ることがあります。
吐き気の原因は、胃腸の不調や食中毒、乗り物酔い、薬の影響などさまざまです。症状が続く場合や、ほかの症状を伴う場合には、医療機関への相談が大切です。
この記事では、吐き気や嘔吐があるときに知っておきたい食事の工夫、においへの対策、食べやすい食品、水分補給のポイントを紹介します。
吐き気・嘔吐でよくある症状
吐き気は、実際に吐いていなくても、胃や胸のあたりがむかむかして吐きそうに感じる状態です。医学的には「悪心(おしん)」とも呼ばれます。
次のような症状がみられることがあります。
- 胃がむかむかする
- 食べようとすると吐き気がする
- 料理や食品のにおいで気分が悪くなる
- 食事をすることに不安を感じる
- 吐いたあとも気分がすっきりしない
吐き気の程度や原因は人によって異なります。いつから症状が始まったのか、食事との関係、腹痛や発熱などの症状がないかを確認しておくと、受診時にも役立ちます。
吐き気があるときの工夫と対策
1.苦手なにおいをできるだけ避ける
吐き気があるときは、普段は気にならないにおいでも不快に感じることがあります。
例えば、次のようなにおいが気になる場合があります。
- 料理や炊きたてのごはんのにおい
- 魚料理や煮物のにおい
- たばこのにおい
- 香水や芳香剤の香り
- ごみや排気ガスのにおい
苦手なにおいには個人差があります。換気をする、調理中は別の部屋で過ごす、香りの強い製品を控えるなど、できる範囲で環境を整えましょう。
家族や周囲の人も、本人が不快に感じるにおいを避けられるよう配慮すると、過ごしやすくなる場合があります。
2.食べられるタイミングに少しずつ食べる
吐き気があるときは、無理に一度にたくさん食べる必要はありません。
比較的気分のよいタイミングを選び、少量ずつ食べる方法を試してみましょう。1回の食事量を減らし、回数を分けると食べやすい場合があります。
ただし、食事がほとんど取れない状態が続くと、栄養不足や体力の低下につながることがあります。食べられない状態が続く場合は、医療機関に相談してください。
3.消化しやすく、食べやすい食品を選ぶ
吐き気があるときは、脂肪分の多い料理や量の多い食事が負担に感じられることがあります。
体調に合わせて、次のような食品を少量から試す方法があります。
- おかゆや軟らかく炊いたごはん
- 食パンやクラッカー
- やわらかいうどん
- ゼリーやプリン
- バナナなどの食べやすい果物
- スープなど、口にしやすいもの
食べやすさには個人差があるため、無理に特定の食品を食べる必要はありません。食物アレルギーや医師から指示された食事制限がある場合は、それに従いましょう。
4.料理を少し冷ましてから食べる
温かい料理から立ち上る湯気やにおいが、吐き気を強めることがあります。
そのような場合は、料理を少し冷ましてから食べる方法もあります。冷たい食品のほうが食べやすいと感じる人もいます。
ただし、冷たい食品がすべての人に適しているわけではありません。自分が食べやすい温度を選びましょう。
5.食事の前に口の中をさっぱりさせる
口の中に不快感があると、食事を取りにくくなることがあります。
食事の前に水でうがいをするなど、口の中をさっぱりさせる方法を試してみましょう。吐いたあとは、口の中を水ですすぐと不快感を軽減しやすくなります。
酸性の飲み物を使ったうがいは、歯の状態によっては負担になることがあるため、水で十分です。
6.ゆっくり食べ、食後は楽な姿勢で過ごす
食べられるときは、ひと口ずつゆっくり食べ、よくかむことを心がけましょう。
食後は衣服によるおなかの締め付けを避け、上半身を起こして楽な姿勢で過ごすとよいでしょう。食後すぐに横になると、胃酸が逆流しやすくなる場合があります。
めまいやふらつきがあるときは、転倒しないよう安全な場所で休んでください。
吐き気があるときに控えたい食事や刺激
吐き気があるときは、次のような食品や刺激が負担になることがあります。
脂肪分の多い料理
揚げ物、脂身の多い肉、クリームを多く使った料理などは、胃もたれを感じる場合があります。症状がある間は、食べられる範囲で脂肪分を控えてみましょう。
食物繊維が多く、かたい食品
野菜の繊維や豆類などは、種類や調理方法によっては消化しにくく感じられることがあります。症状が強いときは、軟らかく調理するなどの工夫をすると食べやすい場合があります。
ただし、食物繊維を長期間にわたって制限する必要があるとは限りません。症状が落ち着いたら、体調に合わせて食事を戻していきましょう。
においや味の刺激が強い料理
香辛料を多く使った料理、香りの強い野菜、においが気になる料理などは、吐き気を誘発することがあります。
無理に食べず、においや味が気になりにくいものを選びましょう。
吐き気があるときは水分補給も大切
吐き気や嘔吐が続くと、水分や電解質が失われ、脱水につながることがあります。
水分を飲める場合は、一度に大量に飲まず、少量ずつこまめに補給しましょう。嘔吐や下痢がある場合には、経口補水液が適していることもあります。使用方法や飲み方については、製品の表示や医療従事者の指示に従ってください。
スポーツドリンク、ジュース、スープなどが飲める場合もありますが、成分や糖分、塩分は製品によって異なります。すべての飲料が経口補水液の代わりになるわけではありません。
水分を飲んでも吐いてしまう、尿が極端に少ない、強いふらつきがあるなどの場合は、早めに医療機関へ相談してください。
嘔吐したあとの食事と過ごし方
嘔吐したあとは、まず無理をせず、落ち着いて過ごすことが大切です。
1.無理に食べず、体調が落ち着くのを待つ
吐いた直後は、無理に食べようとしなくてもかまいません。吐き気が落ち着いたら、少量の水分から試してみましょう。
食事を再開するタイミングは、症状や原因によって異なります。何時間も水分を取れない場合や、嘔吐を繰り返す場合は、自己判断で様子を見続けず医療機関に相談してください。
2.水分を少しずつ補給する
水分を一気に飲むと、再び吐き気が起こることがあります。飲める状態であれば、少量ずつ試してください。
繰り返し嘔吐した場合は、水分だけでなく電解質も失われることがあります。脱水が心配なときは、医療機関や薬剤師に相談しましょう。
3.食べられそうなものから再開する
吐き気が落ち着いてきたら、おかゆ、軟らかいうどん、ゼリーなど、食べやすいものから少しずつ試してみましょう。
食品の温度やにおいも、食べやすさに関係します。冷たいものが食べやすい人もいれば、常温のものが適している人もいます。
食べる量を少なめにし、体調に合わせて調整しましょう。
吐き気が続くときは医療機関へ相談しましょう
吐き気や嘔吐は、胃腸の不調だけでなく、薬の副作用やさまざまな病気が原因で起こることがあります。
特に、次のような場合は注意が必要です。
- 嘔吐を何度も繰り返す
- 水分を飲んでも吐いてしまう
- 尿が少ない、口がひどく乾く、強いふらつきがある
- 強い腹痛や高熱を伴う
- 激しい頭痛、意識の変化、胸の痛みなどを伴う
- 吐いたものに血が混じる
激しい胸痛や腹痛、突然の激しい頭痛、意識障害、吐血などがある場合は、救急受診が必要です。緊急性が疑われる場合は119番に連絡してください。
症状が長引く場合や、繰り返し起こる場合も、原因を確認するために医療機関へ相談することをおすすめします。
まとめ|無理をせず、食べられるものから少しずつ
吐き気や嘔吐があるときは、苦手なにおいを避ける、食事を少量ずつに分ける、食べやすい食品を選ぶ、水分をこまめに補給するといった工夫が役立つ場合があります。
ただし、これらは症状を和らげるための一般的な工夫であり、吐き気の原因そのものを治療するものではありません。
水分が取れない、嘔吐を繰り返す、強い痛みやほかの症状を伴う場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
日頃から自分の体調の変化に気を配り、無理をせず、必要に応じて専門家の助言を受けることが大切です。
※この記事は一般的な健康情報を提供するものであり、診断や治療に代わるものではありません。