「何を食べても苦く感じる」「味がしない」「いつもと違う味がする」など、食事中に味覚の変化や違和感を覚えることはありませんか。
味の感じ方が変わると、食事を楽しめなくなったり、食欲が低下したりすることがあります。原因には、口の中の乾燥、服用している薬、栄養状態、加齢、感染症など、さまざまな要因が関係している場合があります。
この記事では、味覚の変化があるときに日常生活で取り入れやすい工夫や、食事の味付けのポイント、亜鉛を含む食品について紹介します。
味覚の変化・違和感にはどのようなものがある?
味覚の変化には、さまざまな感じ方があります。
- 何を食べても甘く感じる
- 食べ物の味がしない、薄く感じる
- 砂をかんでいるような感じがする
- 塩やしょうゆが苦く感じる
- 金属のような味がする
- 何を食べても塩辛く感じる
- 薬のような味がする
- 何を食べても苦く感じる
味覚の変化は、食べ物そのものの味だけでなく、香りや口の中の状態などの影響を受けることもあります。
また、味の感じ方には個人差があり、同じ食品でも人によって感じ方が異なる場合があります。
味覚の変化があるときに試したい日常の工夫
口の中の乾燥を防ぐ
唾液には、口の中を潤し、食べ物の味に関係する物質が味蕾(みらい)に届きやすくする働きがあります。
口の中が乾燥すると、食べ物を食べにくくなったり、味の感じ方が変わったりすることがあります。
口の渇きが気になるときは、次のような方法を試してみましょう。
- こまめに水分をとる
- 食事の前後に水で口をすすぐ
- 口の乾燥が気になる場合は、必要に応じて口腔保湿剤などを活用する
- 無理のない範囲で、よくかんで食べる
あめやガムなどで唾液の分泌を促す方法もありますが、糖分や飲み込みやすさなどに注意し、自分の状態に合ったものを選びましょう。
口の乾燥が長く続く場合は、医師や歯科医師に相談することも大切です。
歯みがきやうがいで口の中を清潔に保つ
口の中の汚れや舌の状態、歯や歯ぐきのトラブルなどが、口の中の不快感につながることがあります。
毎日の歯みがきやうがいで口腔内を清潔に保ちましょう。
歯みがきは、歯ぐきや口の中を傷つけないよう、やわらかめの歯ブラシなどを使い、やさしく行います。
歯みがき剤の刺激が気になる場合は、刺激の少ない製品を選ぶ方法もあります。
舌の汚れが気になる場合も、強くこすりすぎないように注意しましょう。
味覚の変化に合わせた食事の工夫
味がいつもと違って感じられるときは、無理に普段と同じ味付けにする必要はありません。感じ方に合わせて、食材や調理方法を工夫してみましょう。
味がしない・薄く感じるとき
味を感じにくいときは、塩や砂糖を増やす前に、だしや香り、酸味などを利用してみましょう。
例えば、次のような方法があります。
- かつお節や昆布などのだしを活用する
- きのこや野菜のうまみを生かす
- レモンなどの酸味を少量加える
- しょうがや香味野菜で香りをつける
- 料理の温度を調整して食べやすくする
塩分や糖分を増やしすぎると、健康上の負担につながる場合があります。血圧や血糖値、腎臓の機能などに応じて、味付けを調整することが大切です。
塩やしょうゆが苦く感じるとき
塩やしょうゆが苦く感じられる場合は、使用量を控えめにし、だしや食材本来のうまみを生かした料理を試してみましょう。
レモンなどの酸味を取り入れる方法もありますが、口内炎や口の中の傷があると、しみて痛むことがあります。その場合は酸味を避け、刺激の少ない料理を選びましょう。
甘みを強く感じるとき
食べ物が普段より甘く感じられる場合は、砂糖、みりん、ケチャップなどの甘みのある調味料を控えめにしてみましょう。
甘みの強い食材が気になる場合は、別の食材に置き換えたり、だしや香味野菜を利用したりする方法があります。
ただし、塩分を増やして甘みを打ち消そうとするのは避け、酸味や香りなども活用して味を調整しましょう。
金属のような味や薬のような味がするとき
肉やハム、ソーセージなどに苦味や金属のような味を感じたり、特定の食品を薬品のように感じたりすることがあります。
特定の食品で違和感が強い場合は、無理に食べ続けず、しばらく別の食品を試してみましょう。
例えば、肉が食べにくい場合は魚や豆腐などを利用する方法があります。トマトが苦手に感じる場合は、別の野菜を使ってみるのもよいでしょう。
食べられる食品が限られるときは、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどが不足しないよう、複数の食品を組み合わせることが大切です。
何を食べても苦く感じるとき
苦味が気になるときは、だしのきいたスープや汁物など、食べやすい料理を試してみる方法があります。
ただし、汁物が必ず苦味を軽減するとは限りません。食べやすさには個人差があるため、自分に合う食品や調理方法を探してみましょう。
苦味が長く続く場合や、食事が十分にとれない場合は、医療機関に相談してください。
味覚の変化と亜鉛の関係
亜鉛は、体内でさまざまな働きを担う必須ミネラルの一つです。細胞の形成や正常な味覚を保つ働きにも関係しています。
味を感じる味蕾には味細胞があり、これらの細胞は新陳代謝を繰り返しています。そのため、亜鉛不足が味覚の異常に関係することがあります。
一方で、味覚の変化には薬の影響、口腔内のトラブル、嗅覚の変化など、ほかの要因も考えられます。味覚の異常がすべて亜鉛不足によって起こるわけではありません。
気になる症状が続く場合は、自己判断でサプリメントを使用するのではなく、医師に相談し、必要に応じて原因を調べてもらいましょう。
亜鉛を含む食品
亜鉛は、さまざまな食品から摂取できます。
主菜に取り入れやすい食品
- 牡蠣
- 牛肉の赤身
- 豚肉の赤身
- レバー
- 卵
- ホタテなどの貝類
主食や副菜に取り入れやすい食品
- 玄米
- そば
- 豆腐
- 豆類
- とうもろこし
間食などに利用できる食品
- チーズ
- カシューナッツ
- ココア
食品によって含まれる亜鉛の量は異なります。特定の食品だけに偏らず、主食・主菜・副菜を組み合わせて、バランスのよい食事を心がけましょう。
食欲が落ちて食事量が減っている場合は、亜鉛だけでなく、エネルギーやたんぱく質なども不足する可能性があります。
味覚の変化が続くときは医療機関に相談を
味覚の変化は、一時的なものもありますが、原因によっては適切な診察や対応が必要です。
特に、次のような場合は医療機関への相談を検討しましょう。
- 味覚の変化が長く続いている
- 急に味がわからなくなった
- 食事や水分を十分にとれない
- 体重が減ってきた
- 口の中の痛みや乾燥などが続いている
- 新しい薬を使い始めてから味が変わった
服用中の薬が関係している可能性もありますが、自己判断で薬を中断せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
急な味覚の変化に加えて、顔や手足の麻痺、ろれつが回らないなどの症状がある場合は、救急の受診が必要です。
味覚の変化を説明するときは、「苦い」「甘い」「金属のような味がする」など、どのように感じるかを具体的に伝えると、原因を調べるうえで役立ちます。
まとめ|味覚の変化に合わせて食事を工夫しましょう
味覚の変化や違和感があるときは、口の中を清潔に保ち、乾燥を防ぎながら、食べやすい食品や調理方法を見つけていくことが大切です。
だしや香味野菜、酸味などを活用すると、塩分や糖分を増やしすぎずに食事を工夫できます。また、亜鉛を含む食品を含め、さまざまな食品をバランスよく取り入れることも意識しましょう。
ただし、味覚の変化にはさまざまな原因があります。症状が続く場合や、食事が十分にとれない場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。
毎日の食事を無理なく楽しめるよう、自分の状態に合った方法を見つけていきましょう。