乳房のしくみや役割を知り、普段から自分の乳房の状態を意識することは、健康管理の大切な一歩です。
乳房は年齢やホルモンの変化などによって状態が変わるため、普段の状態を知っておくと、いつもと違う変化に気づきやすくなります。
この記事では、乳房の基本的なしくみ、日常生活でできるセルフチェック、乳がん検診の種類、食生活や運動など、乳房の健康を意識した生活習慣についてわかりやすく紹介します。
乳房のしくみを知っておきましょう
乳房は、皮膚や脂肪などの皮下組織と乳腺から構成されています。
乳腺は乳頭を中心として放射状に広がっており、その内部には乳管や小葉があります。小葉でつくられた母乳は乳管を通って乳頭へ運ばれます。
また、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンは、乳房の発達や月経周期などに関係しています。
乳房は月経周期などによって張りや硬さが変化することがあります。そのため、普段から自分の乳房の状態を知っておくことが大切です。
普段から乳房の変化を意識しましょう
乳房の健康を守るためには、「ブレスト・アウェアネス」という考え方があります。
ブレスト・アウェアネスとは、普段から自分の乳房を意識し、変化に気をつける生活習慣のことです。
ポイントは次の4つです。
- 普段の乳房の状態を知っておく
- 乳房の変化に気をつける
- 変化に気づいたら医療機関に相談する
- 40歳になったら2年に1回、乳がん検診を受ける
しこり、乳房の形の変化、皮膚のへこみやひきつれ、乳頭からの分泌物など、普段と違う変化がある場合には、「次の検診まで待てばよい」と自己判断せず、医療機関に相談することが大切です。
乳房のセルフチェックで確認したいこと
入浴時や着替えのときなど、日常生活の中で乳房の状態を意識してみましょう。
鏡の前で左右の乳房の形や皮膚の状態を確認したり、普段と違うしこりや変化がないかを確認したりすることができます。
特に、
- 乳房の形や左右差の変化
- 皮膚のへこみやひきつれ
- 乳頭の状態の変化
- 乳頭からの分泌物
- しこりなど、いつもと違う変化
などに気づいた場合は、医療機関に相談しましょう。
なお、セルフチェックは乳がん検診の代わりになるものではありません。症状がなくても、年齢に応じた検診を受けることが重要です。
乳がん検診を受けましょう
日本の公的ながん検診では、40歳以上の女性を対象として、2年に1回の乳がん検診が推奨されています。
乳がん検診では、マンモグラフィ(乳房X線検査)が用いられます。
マンモグラフィは、乳房を専用の装置で圧迫して撮影する検査です。触ってもわからないような小さな病変や、乳がんでみられることがある微細な石灰化を確認するのに役立ちます。
一方、超音波(エコー)検査は、乳房内のしこりの有無や性状などを調べるために用いられます。
マンモグラフィと超音波検査にはそれぞれ特徴があり、検診としてどの検査を受けるか、また精密検査が必要になった場合にどの検査を行うかは、年齢や乳房の状態、医療機関の判断などによって異なります。
検診で「要精密検査」となった場合は、自己判断で放置せず、案内に従って精密検査を受けることが大切です。
毎日の食生活を整えましょう
乳房の健康だけに限らず、健康を維持するためには、毎日の食事をバランスよく整えることが大切です。
主食、主菜、副菜などを組み合わせ、さまざまな食品から必要な栄養素を摂るように心がけましょう。
野菜や海藻などを取り入れる
野菜や海藻、きのこ、豆類などを毎日の食事に取り入れると、食物繊維などの栄養素を摂ることができます。
同じ食品ばかりに偏らず、さまざまな食材を組み合わせることを意識しましょう。
良質なたんぱく質を摂る
たんぱく質は、肉、魚、卵、大豆・大豆製品など、さまざまな食品から摂ることができます。
肉だけに偏らず、魚や大豆製品なども組み合わせ、バランスよく取り入れましょう。
ビタミンを含む食品を取り入れる
緑黄色野菜、果物、魚、種実類などには、ビタミン類が含まれています。
特定の食品だけを多く食べるのではなく、野菜や果物、魚、豆類などを組み合わせ、幅広い食品から栄養を摂ることを心がけましょう。
塩分の摂りすぎにも注意
味付けを工夫することも、毎日の食生活を整えるポイントです。
だしや香辛料、かんきつ類などを利用すると、調味料を使いすぎずに料理を楽しむことができます。
食品の調理にも気をつけましょう
食事では、栄養だけでなく調理方法にも目を向けてみましょう。
肉や魚などを調理するときには、焦がしすぎないように注意し、焼く、煮る、蒸すなど、さまざまな調理方法を使い分けるとよいでしょう。
食品にカビが生えた場合は、その部分だけを取り除けばよいとは限らないため、カビの生えた食品は食べないようにしましょう。
また、食品は適切な温度や方法で保存し、衛生面にも気をつけることが大切です。
無理のない運動習慣をつくりましょう
健康を維持するためには、食事だけでなく身体活動も大切です。
普段あまり運動をしていない場合は、いきなり激しい運動を始めるのではなく、日常生活の中で身体を動かす時間を増やすことから始めてみましょう。
例えば、
- 近い場所なら歩いて移動する
- エレベーターの代わりに階段を使う
- 掃除や家事などでこまめに身体を動かす
- 散歩を習慣にする
など、無理なく続けられる方法がおすすめです。
乳房の健康は「普段から意識する」ことが大切
乳房の健康を守るためには、特別なことだけをするのではなく、普段から自分の身体の状態を知っておくことが大切です。
「いつもの状態」を知っていれば、変化にも気づきやすくなります。
また、セルフチェックだけに頼るのではなく、40歳になったら2年に1回の乳がん検診を受けることも大切です。
しこりなど気になる変化がある場合は、検診の時期を待たずに医療機関へ相談しましょう。
毎日のバランスのよい食事、適度な身体活動、定期的な検診などを心がけ、乳房を含めた身体全体の健康管理につなげていきましょう。
※この記事は、乳房や乳がんに関する一般的な健康情報を紹介することを目的としたものです。診断や治療を目的としたものではありません。気になる症状や検査結果については、医療機関にご相談ください。