子宮頸部は、子宮の下側にある、腟につながる部分です。子宮頸部にできるがんを「子宮頸がん」といいます。
子宮頸がんは、初期には自覚症状がほとんどないことがあります。そのため、症状がなくても定期的に検診を受け、必要に応じて精密検査につなげることが大切です。
この記事では、子宮のしくみや子宮頸部の役割、子宮頸がんの検査方法について、基本的な知識をわかりやすく解説します。
子宮のしくみと構造
子宮は骨盤内にある筋肉でできた臓器で、妊娠したときに胎児を育てる役割を担っています。
子宮は、大きく分けて次の2つの部分から構成されています。
- 子宮体部: 子宮の上側にある袋状の部分です。
- 子宮頸部: 子宮の下側にあり、腟につながる部分です。
子宮頸部は、子宮体部と腟をつなぐ位置にあります。この部分に発生するがんが子宮頸がんです。一方、子宮体部にできるがんは「子宮体がん」と呼ばれ、子宮頸がんとは区別されます。
子宮頸部の細胞には、がんになる前の段階で変化がみられることがあります。こうした変化を検査で見つけ、必要な診察や治療につなげることが重要です。
子宮頸がんの原因と特徴
子宮頸がんの発生には、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が深く関係しています。
HPVは主に性的接触によって感染するウイルスで、感染自体は珍しいものではありません。多くの場合、感染しても自然に排除されますが、一部では高リスク型HPVの感染が長く続き、子宮頸部の細胞に変化が生じることがあります。
こうした変化が進行すると、子宮頸がんにつながる場合があります。ただし、HPVに感染したからといって、必ずがんになるわけではありません。
また、子宮頸がんは初期には症状が現れにくいことがあります。症状の有無だけで判断せず、年齢や自治体の検診制度に応じて定期的に検診を受けましょう。
子宮頸がんの主な検査方法
子宮頸がんの検査には、検診で行われる検査と、異常が疑われた場合に行われる精密検査があります。それぞれの目的を理解しておくと、検査を受ける際の参考になります。
細胞診
細胞診は、子宮頸がん検診で広く行われている検査です。
子宮頸部の表面から専用の器具で細胞を採取し、顕微鏡などで観察して、異常な細胞がないかを調べます。
検査は比較的短時間で行われますが、違和感や少量の出血が生じることもあります。検査方法や感じ方には個人差があります。
細胞診で異常が見つかった場合は、結果に応じて再検査や精密検査が必要になることがあります。
HPV検査
HPV検査は、子宮頸がんの発生に関係する高リスク型HPVへの感染を調べる検査です。
検査結果だけで、子宮頸がんであるかどうかが確定するわけではありません。陽性の場合は、年齢や検査方法、ほかの検査結果などに応じて、追加検査や経過観察が検討されます。
HPV検査を検診に取り入れる方法や対象年齢、受診間隔は、自治体などの実施制度によって異なります。受診する地域の案内を確認しましょう。
コルポスコピー検査(腟拡大鏡検査)
細胞診などで異常が疑われた場合には、コルポスコープという拡大鏡を使って、子宮頸部の表面を詳しく観察することがあります。
必要に応じて、酢酸などの薬液を使用し、異常が疑われる部分を確認します。
この検査は、子宮頸部のどの部分に変化があるかを詳しく調べるために行われます。
組織診
コルポスコピー検査などで異常が疑われる部分が見つかった場合には、その部分から小さな組織を採取し、顕微鏡で詳しく調べることがあります。これを組織診といいます。
組織診では、細胞の変化の程度や、がんがあるかどうかなどを確認します。検査後に出血や痛みが生じることもあるため、医療機関から説明された注意事項を守りましょう。
円錐切除術などの追加検査
検査結果によっては、子宮頸部の一部を円錐状に切除して詳しく調べる「円錐切除術」が検討されることもあります。
これは、病変の範囲や状態などを詳しく確認するために行われる処置です。すべての人に必要なものではなく、検査結果や病状などを踏まえて医師が判断します。
子宮頸がん検診を受けることが大切な理由
子宮頸がんは、がんになる前の段階や早期の段階では、自覚症状がないことがあります。
そのため、症状がないからといって、検診を受けなくてもよいとは限りません。
日本では、子宮頸がん検診の対象年齢や受診間隔について、公的な指針に基づく案内が行われています。一般的な細胞診による検診では、20歳以上の女性を対象に2年に1回の受診が勧められています。HPV検査を用いる方式など、自治体によって異なる制度もあるため、実際の対象年齢や受診間隔はお住まいの市区町村の案内を確認してください。
また、検診で要精密検査と判定された場合は、自己判断で放置せず、案内に従って医療機関を受診しましょう。
気になる症状がある場合は医療機関へ
子宮頸がんは初期には症状が現れないことがありますが、病状が進むと、月経以外の出血、性交後の出血、普段と異なるおりものなどがみられる場合があります。
これらの症状は、必ずしも子宮頸がんが原因とは限りません。しかし、気になる症状が続く場合や、普段と違う変化に気づいた場合は、検診の時期を待たずに婦人科へ相談しましょう。
検診は症状がない人を対象とした検査であり、症状がある場合の診察とは目的が異なります。
日頃から正しい健康情報を知っておきましょう
自分の体のしくみや検査方法を知っておくことは、健康管理の第一歩です。
子宮頸がんについて不安がある場合は、インターネット上の情報だけで判断せず、医療機関や公的機関が提供する情報を参考にしましょう。
健康食品やサプリメントは、食生活を補うために利用されることがありますが、子宮頸がんの検診や医療機関での診断・治療に代わるものではありません。予防や治療を目的として、健康食品だけに頼ることは避けましょう。
フコイダン健康堂では、日々の健康管理に役立つ情報を紹介しています。健康に関する基礎知識を知りたい方は、以下のページもご覧ください。
子宮頸がんに関する詳しい情報は、国立がん研究センター「がん情報サービス」も参考になります。
※この記事は、子宮頸部や検査方法に関する一般的な情報を提供するものであり、個別の診断や治療を目的としたものではありません。検査や治療については、医師にご相談ください。