里芋は、煮物や汁物などに使われる、日本の食卓になじみ深い野菜です。
独特のねっとりとした食感と、やさしい甘みが特徴で、秋から冬にかけておいしい季節を迎えます。
里芋には、カリウムや食物繊維、ビタミンB群など、毎日の食生活に取り入れたい栄養素が含まれています。また、皮をむいたときに感じる独特のぬめりも特徴のひとつです。
この記事では、里芋に含まれる栄養素やぬめりの正体、旬の時期、選び方、保存方法、おいしい食べ方についてわかりやすく解説します。
里芋とは?秋から冬においしい身近な野菜
里芋は、サトイモ科に属する植物で、地下にできる球茎(きゅうけい)と呼ばれる部分を食用にします。
日本では古くから栽培されており、煮物や汁物、お正月料理など、さまざまな料理に利用されてきました。
里芋の名前は、山に自生する山芋に対して、人里で栽培される芋であることに由来するといわれています。
里芋の旬はいつ?
一般的な里芋の旬は、秋から冬にかけてです。
主に9月頃から出回り始め、10月・11月・12月にかけて多くの地域で親しまれています。
旬の時期には、煮物や鍋料理、汁物など、温かい料理に使うと、里芋ならではのねっとりとした食感を楽しめます。
地域や品種によって収穫時期が異なるため、季節に合わせて選ぶのもおすすめです。
里芋に含まれる主な栄養素
里芋は、でんぷんを主成分とする食品です。
そのほかにも、カリウムや食物繊維、ビタミンB群などが含まれています。
代表的な栄養素を見ていきましょう。
1.カリウム
里芋にはカリウムが含まれています。
カリウムは、体内の水分や電解質のバランスを保つために必要なミネラルです。
ナトリウムとのバランスにも関係しており、野菜や果物、いも類など、さまざまな食品から摂取することが大切です。
2.食物繊維
里芋には食物繊維も含まれています。
食物繊維は、毎日の食生活で意識して取り入れたい栄養成分のひとつです。
野菜、きのこ、海藻、豆類、いも類など、いろいろな食品を組み合わせることで、食物繊維を摂取する機会を増やせます。
3.ビタミンB6
里芋にはビタミンB6も含まれています。
ビタミンB6は、たんぱく質の代謝に関わるビタミンです。
肉、魚、豆類など、たんぱく質を含む食品とともに、さまざまな食品から摂取することが大切です。
4.ビタミンB1
里芋にはビタミンB1も含まれています。
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える過程に関わる栄養素です。
毎日の食事で主食やいも類などを食べる方にとっても、意識したいビタミンのひとつです。
里芋の栄養成分(可食部100gあたり)
文部科学省の食品成分データベースに掲載されている、生の里芋の代表的な栄養成分は次のとおりです。
| 栄養成分 | 含有量 |
|---|---|
| エネルギー | 53kcal |
| たんぱく質 | 1.5g |
| 脂質 | 0.1g |
| 炭水化物 | 13.1g |
| 食物繊維総量 | 2.3g |
| カリウム | 640mg |
| ビタミンB1 | 0.07mg |
| ビタミンB6 | 0.15mg |
※数値は生の里芋の可食部100gあたりの代表値です。品種や産地、調理方法などによって異なります。
里芋のぬめりの正体とは?
里芋を調理するときに気になるのが、皮をむいたときのぬめりです。
このぬめりは、里芋に含まれる多糖類などの成分が関係しています。
里芋特有のねっとりとした食感にもつながっており、ほかのいも類とは異なる特徴のひとつです。
ぬめりを活かした料理
里芋のぬめりは、料理にとろみやなめらかな食感を加えてくれます。
例えば、
- 里芋の煮物
- 里芋の味噌汁
- 里芋のポタージュ
- 里芋のあんかけ
などに活用できます。
ぬめりを完全に取り除かなくても、おいしく調理できます。
料理の仕上がりや好みに合わせて、ぬめりを調整するとよいでしょう。
里芋の種類と特徴
里芋にはさまざまな品種があり、食感や大きさなどに違いがあります。
土垂(どだれ)
一般的な里芋として広く知られる品種です。
比較的ねっとりとした食感が特徴で、煮物や汁物など幅広い料理に利用されています。
石川早生(いしかわわせ)
比較的小ぶりな里芋で、早い時期から収穫される品種です。
皮ごと蒸して食べる「きぬかつぎ」にも適しています。
セレベス
赤い芽が特徴的な里芋の仲間です。
一般的な里芋よりも比較的ほくほくとした食感があり、煮物などに利用されます。
八つ頭(やつがしら)
親芋と子芋が一体になったような形が特徴です。
お正月料理などにも利用され、ほくほくとした食感が楽しめます。
おいしい里芋の選び方
スーパーなどで里芋を購入するときは、次のポイントを参考にしてみましょう。
- ふっくらと丸みがあるもの
- 持ったときにずっしりと重みがあるもの
- 皮にひび割れや傷みが少ないもの
- 表面に適度な湿り気があるもの
- 触ったときに柔らかくなっていないもの
泥付きの里芋は、乾燥しにくく保存にも適しています。
購入するときには、全体の状態を確認して選ぶとよいでしょう。
里芋の正しい保存方法
里芋は乾燥や低温が苦手な野菜です。
保存方法を工夫することで、おいしさを保ちやすくなります。
泥付きの里芋の場合
泥が付いたままの里芋は、洗わずに保存するのがおすすめです。
新聞紙などで包み、直射日光や暖房の風が当たらない、風通しのよい場所で保存しましょう。
洗った里芋の場合
洗った里芋は表面に水分が残ると傷みやすくなるため、しっかり水気を拭き取ります。
泥付きのものより日持ちしにくいため、なるべく早めに使い切りましょう。
冷凍保存する場合
里芋は下ゆでしてから冷凍保存することもできます。
皮をむいて食べやすい大きさに切り、ゆでて粗熱を取ってから、水気を切って冷凍用保存袋に入れます。
冷凍した里芋は、煮物や汁物などに利用すると便利です。
里芋をおいしく食べるおすすめの方法
里芋は、和食を中心にさまざまな料理に活用できます。
1.里芋の煮物
里芋の定番料理です。
だし、しょうゆ、みりんなどで煮込むと、味がなじみ、里芋のねっとりとした食感を楽しめます。
にんじん、しいたけ、鶏肉などを一緒に煮込むのもおすすめです。
2.里芋の味噌汁
里芋を味噌汁に加えると、自然なとろみが出て、食べごたえのある一品になります。
大根やねぎ、きのこなど、ほかの野菜と組み合わせてもおいしく食べられます。
3.里芋のサラダ
ゆでた里芋をつぶし、きゅうりやにんじんなどと混ぜると、なめらかな食感のサラダになります。
マヨネーズや塩こしょうなどで味を整えると、いつもとは違った里芋料理を楽しめます。
4.里芋のきぬかつぎ
小ぶりの里芋を皮付きのまま蒸す、昔ながらの食べ方です。
蒸したあとに皮をむき、塩や味噌を添えるだけで、里芋本来の風味を味わえます。
里芋を食べるときの注意点
里芋は生のままではなく、十分に加熱して食べましょう。
里芋の皮をむくときに手がかゆくなることがあります。これは、里芋に含まれるシュウ酸カルシウムの結晶などが皮膚を刺激するためです。
かゆみが気になる場合は、次のような工夫ができます。
- 手袋を使って皮をむく
- 里芋の表面の水分をよく拭き取ってから皮をむく
- 酢を利用して下処理する
また、里芋にはカリウムが含まれています。腎臓病などでカリウムの摂取制限を受けている方は、自己判断せず、医師や管理栄養士の指示に従いましょう。
まとめ|里芋を毎日の食生活に取り入れましょう
里芋は、独特のぬめりとねっとりとした食感が魅力のいも類です。
カリウムや食物繊維、ビタミンB群などの栄養素を含み、煮物や味噌汁、サラダなど、さまざまな料理に活用できます。
今回のポイントをまとめると、
- 里芋の旬は主に秋から冬
- カリウムや食物繊維などを含む
- 独特のぬめりは多糖類などが関係している
- 泥付きのものは乾燥を防いで保存する
- 煮物や汁物など幅広い料理に使える
ということです。
健康的な食生活を考えるときは、里芋だけに偏るのではなく、野菜、魚、肉、豆類、海藻など、さまざまな食品を組み合わせることが大切です。
旬の里芋をおいしく食べながら、毎日の食生活を見直してみてはいかがでしょうか。
※この記事は食品の栄養や特徴について一般的な情報を紹介するものであり、特定の病気の予防・治療を目的としたものではありません。