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大腸のしくみ・役割と健康対策|リスク・予防・検査方法

大腸とは(しくみ)

大腸は、胃と小腸につづいて、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸を経て、 直腸、肛門管の順でつながる1.5~2mほどの長さの臓器です。
大きくは結腸と直腸にわけられます。

大腸のしくみと部位の名称

大腸の断面は、内側から粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜(しょうまく)下層、漿膜の6つの層になっています。

胃や腸とおなじように、交感神経と副交感神経によって大腸のうごきが調整されています。
直腸のまわりには、排便や排尿、性機能を支配している交感神経、副交感神経のネットワークがあります。

大腸の役割とは

わたしたち人間は、食べ物をたべてそれを消化して、その栄養素を吸収して生きています。
食べた物を、消化・吸収し、そして体の外へ排泄するはたらきをまかされているのが消化器で、全長10mほどもあります。
その長い消化管の最後尾にあるのが大腸なのです。

便を作る働き

胃から十二指腸に送られた食べ物は小腸で分解され、その栄養素の90%は小腸で吸収されます。
そして大腸では、食物繊維の発酵や一部の栄養素と水分の吸収がおこなわれ、消化・吸収された食べ物の残りカスが徐々に固まって便になります。

排便の仕組み

便は、大腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)によって直腸に送られ貯留されます。食後24時間から72時間たって肛門から排泄されます。

つまり、大腸には食べ物の残りカスによって便をつくるというはたらきと、便を貯留するというはたらきの2つのはたらきがあるのです。

<結腸のおもなはたらき>
小腸からおくられてきた食べ物の水分などを吸収し、固形の便をつくる

<直腸のおもなはたらき>
直腸に便をためておく。

腸内細菌の働き

大腸は、多種、多量の細菌のすみかでもありその腸内細菌のはたらきです。
大腸には、約500種類、100兆個以上の腸内細菌が生息しています。

腸内細菌には、健康によいとされる「善玉菌」と健康に害をおよぼす「悪玉菌」があります。

善玉菌には、消化・吸収を助ける、腸粘膜の免疫細胞を活性化するはたらきがあります。
その一方で、悪玉菌は、アンモニアや硫化水素などの有害物質をつくりだします。
その有害物質は、腸の粘膜から吸収されて血液を汚したり、からだ全体に流れていきます。
悪玉菌が腸内にたくさんいると、からだの老化が早まり、生活習慣病のリスクが高まります。

大腸がんのリスク要因と予防

リスクが上がる要因

・赤身、加工肉は、大腸がんのリスクを1997年の「ほぼ確実に上がる」から「確実に上げる」へと危険度があがりました(米国がん研究機関AICRと世界がん研究基金WCRFの「食物・栄養とがんの予防」報告書より)

  • 赤身肉・加工肉・飲酒(男性)
  • 肥満・腹部肥満・高身長
  • 飲酒(女性)
  • 鉄をふくむ食品、チーズ、動物性脂肪、砂糖など

リスクを下げる要因

  • 運動
  • 食物繊維、にんにく、牛乳、カルシウム
  • 野菜、果物、魚、葉酸をふくむ食品、セレン、ビタミンDをふくむ食品など

大腸と食生活

中医学では大腸を「伝導の官」と呼び、消化の粕(かす)を出す器官と考え、常に通りよくすることが大切と考えられています。

腸の「気」は下へととどこおりなくスムーズに流れることが腸の蠕動(ぜんどう)運動を正常に保つために大切で、「伝導」の機能が正常に保たれることが重要です。

大腸の健康を維持するためには、日々の生活習慣を見直すことが重要です。消化器全体の働きについては、胃のしくみ・役割と健康対策もあわせてご覧ください。

もっとも大切なのは食事です。

おすすめの食事

「肉、魚などの動物性たんぱく質少なめ、野菜たっぷり」を基本とします。

そしてよい腸内細菌が育つようにヨーグルトなども積極的に取りいれ、すこやかな便通をたもつようにします。

ただし、術後すぐはつまる危険があるため、積極的におなかを温め、ごぼうなどの繊維のかたいものは避けましょう。

控えたい食事

  • 刺激の強い食品や香辛料(多量のしょうが、にんにく、唐辛子、八角、山椒など)
  • 多量の赤身肉

控えたい生活習慣

  • 喫煙(受動喫煙も)
  • 多量のアルコール
  • 暴飲暴食
  • ストレス

<大腸の危険度チェック>
次の項目に当てはまる人はリスクが高くなります。
・肉類が好き、脂肪を多くとっている
・野菜やくだものは好きじゃない
・食物繊維が不足気味だ
・肥満体形で内臓脂肪が多い
・お酒を毎日1合以上飲む
・喫煙者である
・便秘気味である
・運動をほとんどしない
・年齢が40歳以上

便通を整える生活習慣

じゃがいもなどのいも類を多く食べるようにします。

いっしょに緑茶や抹茶を加えると、よりよいです。

予防の食養生としては、適量の水分をとるように心がけることも大切です。

少量の肉類は体力増強のためによいのですが、赤身肉の食べすぎは避けましょう。

やや脂がのっている部分を選んで、じっくりと煮込んだ料理で食べましょう。
適度な油脂分は「腸」にうるおいを与えます。

こうした料理のときは、野菜もいっしょに加えて、バランスのとれた食事になるように気をつけましょう。

大腸の健康を保つための生活習慣イメージ

大腸がんの検査方法(内視鏡・便潜血検査など)

早期の段階ではほとんど自覚症状がないので検査が必要です。
最初の一歩は「便潜血検査」です。

【便潜血検査】

便を採取して、便中の血液の有無を調べる検査です。以前は便の採取は1回だけでしたが、現在は2日にわたって2回採取するのが主流です。

【直腸触診】

医師の手によって直接見極める検査です。
医師が肛門から直腸内に指を入れます。

【腹部触診】

医師が腹部をさわってシコリや痛みがないかを調べる検査です。

【大腸内視鏡検査】

肛門から内視鏡を挿入して、大腸の粘膜の状態をモニター画面にうつしだしてみる検査です。組織採取やポリープ切除を検査と同時におこなうことができます。

内視鏡の先端には小さなカメラとライトがついています。
大腸に便が残っていると正確な検査ができないので、検査前日は消化の良い食事にして、当日は腸管の洗浄液を飲んで腸をきれいにしてから検査をします。
熟練した医師がおこなえば痛みはほとんどありません。

【注腸X線造影検査】

造影剤(バリウム)とX線を用いて、大腸全体を調べる検査です。

【腹部CT検査・MRI検査】

CT検査は、X線を使って身体の断面を画像化するコンピュータ断層撮影検査のことです。
MRI検査は、磁気を使って身体の中の詳しい画像を断面図であらわす検査のことです。

【胸部X線検査】

X線を用いて、胸部の透視図を得る検査です。

【超音波内視鏡検査】

内視鏡に超音波の機能をくわえた検査です。エコーとも呼ばれています。
超音波を身体に当てて、内臓から反射してくる情報を処理してモニターに画像化します。

【PET検査】

ポジトロン(陽電子)放射断層撮影法のことです。
早期発見できる精度の高さと、一度の検査で全身が調べられます。
検査が受けられる機関はまだ限られています。


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