◆前立腺とは
前立腺は男性の膀胱の下(出口)、尿道の始まり部分を取り巻くような形をしている臓器です。
前立腺の後ろは直腸と接していて肛門から指を挿入するとかんたんに触れることができます。
約3センチくらいのくるみほどの大きさで、栗の実を逆さにしたような形をしていて、重量は15g前後です。
< 前立腺の健康への危険因子>
・遺伝
・食生活(肉食など欧米化、緑黄色野菜の摂取不足)
・加齢
・アルコール
前立腺の役割
前立腺の構造はみかんに似ていて、みかんの実に相当する部分は内線とよばれ、尿道液を分泌しています。
内線は年齢とともに、良性のこぶができやすくなって、尿道を圧迫して排尿を困難にすることがあります。
みかんの皮に相当する部分は外線(がいせん)といって、前立腺液を分泌しています。
この前立腺液は精嚢(せいのう)から分泌される精嚢液と混ざり、精液となって精子を守っています。
前立腺の検査
前立腺がんを発見する有効な手法が、PSA検査(前立腺特異抗原検査)です。
肛門からの触診や超音波検査も行われます。
【PSA検査】
PSAは前立腺でつくられるタンパクで、がんなどがあると血液中に漏れ、濃度が上がってきます。
PSA検査は人間ドックや定期検診では追加オプションで検査することができます。(50歳になったら年に1度検査を受けたほうがよいです)
基準値は4.0ng/mlで、それ以上だと、がんの疑いが強くなります。
<数値の見方>
4.0ng/ml未満 は基本的に問題なし
4.0〜10.0ng/ml はグレーゾーン(前立腺がんの可能性あり)
10.0ng/ml〜 は前立腺がんの危険大
ただし、PSA値は前立腺炎や前立腺肥大などの良性の前立腺疾患でも上昇することがあります。
PSA検査の結果だけで前立腺がんと断定することはできません。
【超音波検査】
指のかわりに超音波装置を直腸に挿入し、前立腺や膀胱に異常があるかの診断を行います。
【直腸指診】
前立腺は、膀胱のすぐ下側にあるので、肛門から指を挿入し、前立腺の形や大きさ、硬さを調べることができます。
【針生検(組織検査)】
直腸や会陰部から針を穿刺して、前立腺の細胞や組織の一部を採取する針生検です。
生検には、バイオプシー・ガン(針生検銃)という、装置が使用され、超音波で観察しながら組織を一瞬で採取することができ、痛みがほとんどなく、安全に検査することができます。
通常、6〜8か所ほど、組織を採取します。
生検は外来でもできますが、入院して検査したほうが、より確かな検査ができます。
【超音波検査】
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