・胃の粘膜細胞の再生に必要な
良質たんぱく質食品を積極的にとる。
・
よくかんでゆっくりと食べるように心がける。
・食後30分、
横にならずにすわって休む。
◎おやつの時間で栄養補給
おやつを間食として、じょうずに利用しましょう。とくに果物や乳製品は食事ではとりきれないものです。
主食も足りないようなら、手軽につまめるお菓子を利用してエネルギーを補給するとよいでしょう。
◎煮る、蒸す、ゆでる
油を使わずに食材をやわらげ、水分を適度に含ませる「煮る・蒸す・ゆでる」は、消化がよく、胃への負担が少ない調理法です。
とくに、とろ火でじっくり時間をかけてやわらかく煮るのがいちばんです。味が濃くなると、塩味が胃の粘膜を刺激するので、うす味を心がけましょう。なお、焼き物やいため物も、油を控えて、火を通しすぎないようにふっくら、しっとり仕上げれば、胃に負担をあたえません。
◎良質のたんぱく質食品をとる
たんぱく質が不足すると、回復が遅れます。量が食べられないときこそ、良質のたんぱく質を摂取するように心がけましょう。
良質のたんぱく質食品とは、人体に欠かすことのできない必須アミノ酸をバランスよく含む食品のこと。
卵、脂肪の少ない肉類、魚介類、乳製品、大豆製品などです。
2種類以上のたんぱく質、とくに、動物性のたんぱく質と植物性のたんぱく質を組み合わせてとると、お互いに不足しているアミノ酸を補い合うことになり、効果的です。
◎胃に負担をかける食品をさける
胃に負担を与えないためには、まず、負担をかけやすい、できるだけ避けたい食材やメニューを頭に入れておきましょう。
それは、胃の粘膜を直接刺激したり、胃酸の分泌をうながしたりするものです。胃酸が出過ぎると胃の表面に炎症が起きて、悪化すれば潰瘍になる心配もあります。
●控えたほうがいい食品
●高脂肪メニュー
揚げ物、ひき肉料理、うなぎのかば焼きなど
●脂肪の多い魚や肉
まぐろの大とろ、ばら肉など
●酸味が強いもの
酢の物、かんきつ類、パイナップルなど
●煮てもやわらかくならないもの
ごぼう、竹の子、れんこん、いか、たこ
●ヒトの消化酵素で消化されないもの
こんにゃく、きのこ
●刺激物
アルコール、タバコ、炭酸飲料
●カフェインの多いもの
コーヒー、濃い緑茶
●胃酸の分泌を促すもの
香辛料、肉のエキス、辛味
主食
炭水化物を主成分とする穀物は、胃への負担がもっとも少なく安心です。調子が悪く、あまり食べられないときは、主菜の食材と組み合わせて、少量でも栄養価の高いメニューに仕立てましょう。
◆ごはん◆
おかゆや軟飯でもよいですが、卵やカニ缶、鶏肉などを加えて、おじやや雑炊にするとたんぱく質もとれます。
◆パン◆
しっとりとしたパンより、よく焼けて水分が抜けたフランスパンやロールパンのほうが消化がよい。食パンはトーストにしたほうが消化がよい。フレンチトーストやパンがゆなら、たんぱく質もとれます。
◆めん類◆
やわらかい煮込みうどんが最適。冷たいそば、油脂の多い中華めん、食物繊維の多いそばやパスタは避けたいですね。
主菜
食べやすい卵と大豆製品に偏りがちですが、肉や魚はエネルギー代謝を促すビタミンB群、体液のバランスを保つミネラルの宝庫。1日にできるだけ、卵、乳製品、大豆製品をまんべんなく食べるよう心がけましょう。
◆魚介類◆
脂肪の少ない白身魚は安心だが、養殖ものや深海魚などは以外に脂肪が多いので、注意する。かに、ほたて貝柱、かきもおすすめ。
◆肉◆
赤身肉もミンチにしてシューマイやゆでギョーザ、ロールキャベツなどにすると、食べやすく消化もよい。市販のひき肉製品は、口当たりをよくするために脂肪成分を加えていることがあるので、表示に注意して選びましょう。
◆卵◆
かたゆで卵より、半熟卵がもっとも消化がよいです。
◆乳製品◆
牛乳は乳脂肪が微小の粒子になっているので、吸収されやすく、胃壁を包んで保護してくれます。飲むだけでなく、おやつにも料理にも積極的に使いたいですね。チーズやクリーム類は脂肪が多いので、控えめに使うこと。ただし、状態によっては、かえって不快に感じることもあるので時期を注意しましょう。
◆大豆製品◆
良質のたんぱく質、ビタミン、ミネラルがバランスよくふくまれているので、積極的に活用したい。大豆そのものより、豆腐や湯葉、納豆などの加工品のほうが消化吸収がよく、おすすめです。
胃・十二指腸はデリケートな臓器です。ストレスも不快の原因になります。
ときには精神的なストレスが加わって、胃・十二指腸の状態が悪化することがあります。
そのようなときは医師に相談しましょう。
ストレスの影響を受けやすいことも配慮しながら、胃に負担のかからない食事と、暮らし方の知恵をくふうしましょう
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こんな”困った”のときの工夫