◆健康診断
健康診断は、さまざまな検査や診察などで健康状態を評価するものです。得られた結果をもとに健康を維持したり予防や早期発見に役立てることができます。
健康診断の方法
1.学校における健康管理
乳幼児時期以降の小学校、中学校では学校が中心になって健康診断や、保健指導をおこなっています。
外国人児童もその対象になりますので、学校の指示にしたがって、健康診断や保健指導を積極的に受けさせましょう。
2.企業における健康管理
日本では、企業などに就職するとき、各種の健康診断を受けなければならないと法律で定められています。
また、1年以上の常勤の雇用者には、職場で働く全員の健康を守るためには、1年に1回無料で健康診断が行われます。
このほかにも、快適な労働環境を維持し、労働者の健康を守る目的で、
労働安全衛生法が制定されており、鉛とか有機溶剤のように中毒を起こしやすい物品を
取り扱う労働者は、その予防のために必要な検査を受けなければなりません。
3.一般市民の健康管理
就学前の子供や、自営業者、老人、その他職場などで検診を受ける機会のない人などの健康管理は、市町村の役場が中心になっておこなっています。
健康診断の実施時期、場所などは、町内会を通じて回覧される通知により案内されますが、市役所、町役場へ問い合わせても教えてもらえます。
一般健康診断と人間ドックのちがい
●成り立ちと目的の違い
◆一般健康診断の目的は、大きく3つあります。
1.健康障害の内容と作業との関連性を推量し、必要ならば作業環境、作業条件等に改善策を提案すること。
2.健診結果を通して、従業員の健康状態、作業能力などを判断し、職場管理との調整の後に適正職務上、適正配置を心掛けること。
3.医療の適用者に対する職場管理者の理解を求め、労務管理の一環としての健康管理活動を推進することにあります。
このように、
企業における一般健康診断には職場へフィードバックすべきものと従業員個人へフィードバックすべきものがあります。
従業員個人に対しては保健指導などを通して従業員個人の自主的な健康管理を支援します。
◆人間ドックには、大きく2つの流れがあります。
1.昭和29年に国立第一病院で日本のオリジナルなものとしてスタートした宿泊ドックで、現在では1泊2日の短期ドックが主体となっています。
2.アメリカで開始された自動化健診で、昭和45年に日本へ導入されました。
その後、昭和60年に総合健診と名前を変えました。
総合健診は日本総合健診学会の指導のもと、専用フロアを用い、当日全員面接を行い、厳しい精度管理を行うという優良施設としての基準をクリアしながら発展してきました。
このほかにもドックと名乗っている健診はありますが、 日本病院会を窓口として健康保険連合組合とドック健診実施契約を結ぶことができるのは、上記の2つに限られております。
人間ドックは、個人が任意で受診するものです。個人が人間ドックを受診する目的は、 多くの場合、病気の早期発見です。
このように、一般健康診断と人間ドックには、大きな目的やコストのちがいがあります。
一般健康診断の場合は会社の負担になるためコストを重視しますが、人間ドックの場合は個人がそれに見あった診断やサービスを受けられると考えれば いいわけですので、コストはあまり重視されません。
●検査項目について
検査項目は多ければ多いほどいいとは限らない
一般健康診断の場合は、個人の過去のデータがあり、必要に応じ追加検査や再検査が かんたんにできます。また経過観察が必要な場合もかんたんにできます。
これに対し、人間ドッグの場合は、基本的には過去のデータはなく、 追加検査や再検査も前提としていません。
したがって、人間ドックではなるべく一回の検査で診断をつけようとするため、 必然的に検査項目は多くなります。
■人間ドック(有料)
「日帰りドック」「1泊2日ドック」などがあります。
医療機関によってドッグの種類、料金などが異なります。
1.一日人間ドック(総合健診)
□一般計測
□循環器
□消化器
□呼吸器
□肝機能
□腎機能
□血液学的検査
□生化学的検査
□血清学的検査
□婦人科
□体力測定
健診当日、検査結果に基づき専門医による個人指導を実施
2.宿泊人間ドック
上記一日人間ドックに次の項目が追加されます
□糖負荷試験
□運動/栄養指導
□負荷心電図
健診当日、検査結果に基づき指導を実施
健康診断の用語解説
<健(検)診用語>
1.異常なし
検査の結果、検査をした時点では、特別な所見がなかったという意味です。
半永久的に健康が保障されたということではありません。
健康の保持・増進に努める必要があります。
2.要観察
日常生活に注意し、定期的に検査を受けながら経過をみていく必要があります。
3.要再検
再検査を必要とします。検査結果が正常範囲をはずれているか、 検査所見に異常の疑いがある場合に、再度検査をして確認します。
4.要精検
一般の検査では異常の状態がわからない場合、詳しい検査をおこなう必要があります。
5.要受診
検査所見に異常があり、病気と考えられるので、医療機関で受診し、 医師の診断を受ける必要があります。
あなたの地域の健康診断はいつですか?
健康診断のお知らせは届きましたか?
「健康診断を受けてみたいが、どこで受けたらいいかわからない」というかたは、 一度、市町村の保健課や保健センター(名称は市町村で異なります)に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
きっと身近なところで、いろいろな健康診断を受診できるチャンスに出会えると思います。
健康診断を活かすためのポイント
●年1回は必ず受ける。
(受診月を自分の誕生月や結婚記念日などに設定すると、忘れにくくなります)
●病気で通院中の人も定期健康診断は受ける。
●「再検・要精検」といわれたら必ず受診する。
(早くに発見できた病巣は早いうちに治しましょう)
●健(検)診の結果は保存しておく。
( 結果を蓄積しておくと、自分の体調の変化を把握するのに役立ちます)
●健(検)診の結果を生活改善に生かす。
(受けっぱなしでは健診の意味がありません。セルフケアで生活を改善しましょう)
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