健康管理◆腸をつまらせない食事・生活の注意点
私たちが食べたり飲んだりした物は、胃、小腸、大腸をとおって消化・吸収され、 便となって肛門から排泄されます。
また、だ液や胃液をはじめとする消化液が、 一日数リットルも胃腸のなかに分泌されますが、これも小腸や大腸で吸収され残りは便とともに排泄されます。
これらの食べ物や消化液の流れが小腸や大腸でとどこおると、内容物が腸につまってしまいます。
腸が広がって、張ってくるのでお腹が張って痛くなり、 肛門の方向へ進めなくなった腸の内容物が口の方向へ逆流してしまい、 気持ち悪くなっていろいろな不調がおこります。
つまる原因は?
原因が腸の外側にあるばあいと、内側にあるばあいがあります。
腸の外側にあるばあいとは、 腸が外側から圧迫されたり、ねじれたりするばあいです。
つまるとどうなる?
突然、激しい痛みや気持ちの悪さが起こります。
おなかが張り、やせた人では腸がむくむくと動くのが、おなかの外から見えることもあります。
多くの場合、つまった瞬間に突然なります。
しばらくすると少しやわらぎ、これをくり返す特徴があります。
つまらせないために
つまりはくり返す恐れがあります。
食事・活動・休息・排泄に気をつけてみましょう。
食事で気をつけましょう
<食べ方>
・よくかんで食べましょう
・繊維質のものは細かく切りましょう。
・早食いはやめましょう
・一度に食べすぎないようにしましょう
・アルコールの飲みすぎには注意しましょう
・暴飲、暴食をしないようにしましょう
消化不良をおこして腸に負担がかかります。また腸内ガスのもとになる空気を大量に飲み込むことにもなります。
・水分をとりましょう
汁物、果物なども合わせて1日1000〜1500mlが目安です。
・バランスよく食べましょう
・身体を冷やす食べ物は控えましょう。
夏が旬の食べ物は身体を冷やします。
冬が旬の食べ物は身体を温めます。
温かい食べ物(汁物)と一緒に食べましょう。
・果物は朝食べましょう
<注意が必要な食べ物>
・繊維の多い食べ物
ごぼう、セロリ、ゼンマイ、タケノコ、ふき、さつまいも、里芋など
・海藻類、貝類、こんにゃくは消化が悪いです。
・脂肪の多い食べ物は控えめにしましょう
牛肉ロース、ばら肉、豚肉脂身、鶏の皮つき、ベーコン、サラミソーセージ、ロースハムなど
うなぎ、ぶり脂身、まぐろトロなど
豚カツ、ビーフカツ、フライ、天ぷらなど
・刺激の強いも物、香辛料、塩分は控えめにしましょう
コーヒー、アルコール類、炭酸飲料など
・ナッツ類、豆類は、発酵性が強くガスを発生させるので気をつけましょう
・餅、とうもろこし、いちじくは避けましょう
・極端に熱いもの、冷たいものには注意しましょう
<消化のよい食品・料理>
・穀類
おかゆ、おじや、雑炊、煮込みうどん、フレンチトースト、カステラ、 パンなど
・卵
半熟卵、茶碗蒸し、卵豆腐、温泉卵、スクランブルエッグ、卵とし、 オムレツなど
・魚類
たい、ひらめ、かれい、あじ、たら、さけ、まぐろ(トロは控える)など
・肉類
シチュー、グラタン、旨煮、ロールキャベツ、つくねなど
・乳製品
クリーム煮、ババロア、牛乳、ヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、ゼリーなど
・豆類
湯豆腐、煮やっこ、冷やっこ、豆腐あんかけ、白和え、味噌汁、 高野豆腐、ゆばなど
・イモ類
含め煮、そぼろ煮、茶巾絞り、マッシュポテト、ポテトサラダなど
・野菜
煮物、野菜スープ、煮びたしなど
・飲み物
お茶、麦茶、紅茶、乳酸飲料、スポーツ飲料など
つまらせないためには、食事がとくに重要です。
注意点としては、消化に悪いものを避けることです。
食物繊維をとることは、オススメですが、 食物繊維には水に溶ける食物繊維(水溶性食物繊維)と水に溶けない食物繊維(不溶性食物繊維)があります。
水に溶けない食物繊維(不溶性食物繊維)が多く含まれる食品をとると、逆につまることになるので注意が必要です。
水に溶けない食物繊維(不溶性食物繊維)として、ゴボウ、セロリ、ゼンマイ、たけのこ、フキ、サツマイモ、サトイモなどの野菜は料理には使わないほうが無難です。
貝類、ナッツ、コーン、こんにゃく、ゴマなども消化がしにくく、 負担がかかります。
牛肉ロース、ばら肉、豚肉の脂身、とり皮、ベーコンなどの油脂も つまった後の食事にはよくありません。
また、生クリームたっぷりのケーキ類も、つまった方の食事からは除いてください。(甘党のかたにはつらいところですが)
そして、冷たいものでお腹を冷やすのも良くないです。
おすすめの食事・食生活
<食事療法に取り入れたい食事のレシピ>
●豆腐や野菜を使った消化のよいもの
・野菜をやわらかく煮込んだスープ
・豆腐のあんかけ、
・高野豆腐の煮物など
がオススメ
●肉類
脂身のない部分を選び、ロールキャベツやシチューなどにする。
●魚類
蒸した白身魚や、カレイの煮付けなどが安心です。
食材を吟味することが大切ですが、 同時に、早食いや暴飲暴食をせずに、よく噛んで食べることも大事です。
食事の汁物なども含めて、1日1000m〜1500mlの水分を取りましょう。
<活動で気をつけましょう>
・適度な運動(散歩など)をしましょう
・同じ姿勢を長時間続けないようにしましょう
たとえば
前かがみの姿勢(草むしりなどの前屈姿勢)
車のシートに深く沈みこむ姿勢
・行事(冠婚葬祭、旅行、学校の行事など)に参加したときや来客があったとき
同じ姿勢を長時間続けない
水分補給を忘れない
トイレをガマンしない。
ゆっくり休む
・冷えを生じる行動をしたときには注意しましょう
・シャワーや入浴で身体をあたたかくしましょう
・体調を崩したとき(風邪など)には注意しましょう
<休息で気をつけましょう>
・疲れを感じたときは休けいしましょう。
横になって休みましょう
・睡眠不足にならないように気をつけましょう
・精神的ストレスに注意しましょう
自律神経の影響を受けやすく、心の鏡と言われるほどストレスに敏感です。ストレスを感じると動きがにぶくなったり、逆に活発になると、活動が不安定になります。
<排泄で気をつけましょう>
・コントロールができるようになりましょう。
毎日観察をしましょう
→どんなのが出てる?(量・硬さ・におい・色)
→いつでてる?(毎日・1日おき・1週間に1度)
→ガス(おなら)はでている?
*** 気をつけたい10か条 ***
(1) 最低20回はかむ。
(2) 食べ始めに、とろろ芋、納豆、モロヘイヤ、オクラなど粘りのあるものをとる。
白飯もよくかんで粘りのあるものと一緒に食べるとスルリ。
(3) 野菜中心の精進料理。イカ、タコ、コンニャクは敬遠。
(4) 1日5〜6回の分食で腹8分目。
(5) 炭酸水、ビールは飲まない。
(6) 規則正しい食生活。
(7) 食後すぐに車に乗らない。
(8) 寝る前は食べない。
(9) 枕を高くして寝る。
(10) のんびり焦らずに生活する。
*** 理想は ***
頻度―1〜2日に1回ないし2〜3回程度
硬さ―有形軟、バナナ状
色―黄褐色
量―片手一杯〜両手一杯程度(個人差もありますが)
1日100g〜250g程度
その他
自分に合った、食べるとお腹がゆるくなるものを見つけておくと、 精神的にも安心です。
これも排泄をうながす一つの方法としては有効なので、 何か一つでもあるといいと思います。
インスタントではないブラックコーヒー、バナナ&ヨーグルト、中華料理、キシリトール、キムチ など食べると動きが活発になる人もいらっしゃるようです。
ぜひ、自分に合ったモノをみつけておきましょう。
これらを食べた後は、トイレに座るといった習慣をつけておくとよいでしょう。
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