日本人と海藻

海藻と日本人がもつ分解酵素

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海藻と日本人seaweeds

フコイダンの人体への吸収

2010年4月に、沖縄の研究開発企業と群馬大の教授の研究チームが、独自開発した検査法を用いてモズクから抽出したフコイダンの人体への吸収を確認した、という報告があります。

また、日本人の腸が海草にふくまれる多糖類を分解できるのは、分解酵素を作る遺伝子を腸内に住む細菌が海洋性の微生物から取り込んでいるためだとする論文が、英科学誌ネイチャー(Nature2010年4月7日号)に発表されています。

多糖類を分解する酵素

フランスの海洋生物学と海洋学の研究教育機関の研究チームが、ゾベリア・ガラクタニボランという海藻性バクテリアがアマノリ属の海藻にふくまれる多糖類を分解する酵素を持っていることを発見しました。

そして、ヒトの腸内に住むバクテロイデス・プレビウスという微生物がこの同じ酵素を作る遺伝子を持っていることがわかりました。
このバクテリアは、これまで日本人の排泄物からしか見つかっていないということです。

日本人は8世紀にはすでに海苔を食べていましたが、研究者によると、その昔日本は海苔を焼かずに食べていたため、海草に住んでいたバクテリアからこの遺伝子を取り込んだものと考えています。

フコイダン分子が大きいため、細胞壁を通過せずに人体に吸収されないとの見方が従来の通説でしたが、人体への吸収を確認したことで、直接フコイダンに接するところ以外にもパワーを発揮できるという根拠になります。

沖縄の食生活と健康

健康な食生活食の欧米化により沖縄の若い世代に短命化が進んでいますが、野菜やイモ類が中心だった食生活を送っていた100歳以上の高齢者の数現在でも多く、そのころの食生活が健康の秘訣ということで注目が集まっています。

”健康の秘訣”はいったいなんだったんでしょうか。

まず、本土と比べて、温暖な気候風土で
肉体的なストレスが少ないことや、明るい性格でくよくよしない人が多いことなどがあげられます。

しかし、いちばんの要因は、"食生活の違い゛です。

沖縄の健康を支えているのは、次のような食生活と考えられています。

①食塩の摂取量が少ない→漬物を食べる習慣がない。
②野菜の摂取量が多い
③豚肉の摂取量が多い→脂肪の少ない料理法である。
④「海藻」の摂取量が多い→コンブを日本一多く食べている。
⑤植物性タンパク質の摂取量が多い→大豆料理を多く食べる。
⑥魚介類の摂取量が多い。
⑦黒砂糖を好む。

沖縄の海藻食文化

四方を海に囲まれた私たち日本人は、世界中で最も海藻をよく食べる国民です。

ワカメの味噌汁のない朝食なんて考えられませんし、おにぎりや寿司には海苔、おでんや煮物にコンブ(昆布)は欠かせません。

健康志向、ダイエット志向も高まって、海藻サラダやヒジキの煮付けなどが、低カロリーでミネラル豊富な健康食として、若い女性たちの間で人気があります。

沖縄料理の主役は、コンブやモズク、メカブ(=ワカメの根に近い部分にできるヒダ状の葉のこと)などの「海藻類」

モズクが注目される以前から、沖縄県はコンブ消費量日本一を誇っています。
「おや?コンブは北海道など北の海の海産物じゃないの?」と思われるかもしれませんね。

沖縄で食卓に上るようになったのにはちょっとした理由があります。

コンブは江戸時代中期から、北海道など北の海で採れたコンブは北前船で全国各地に運ばれるとともに、沖縄を経由して清(中国)にも輸出されるようになりました。

沖縄はその中継地だった関係で、北海道から遠く離れた沖縄でもさかんに食べられるようになったのです。

そして、消費量が多いだけでなく、食べ方にも大きな特徴があります。

本土ではコンブというと出し汁をとるものというイメージですが、沖縄では、出し汁をとるだけでなくクーブイリチー(=千切りにしたコンブを豚肉やコンニャクと一緒に炒め煮にした沖縄の代表的な郷土料理)という炒め物にしたり、炊き込みご飯に入れたりと、コンブをそのまま食べることが多いのです。

このため、コンブにふくまれる栄養素をそのままとることができたのです。

沖縄を担っている海藻はコンブだけではありません。
もう一つ忘れてはならないのが生産量日本一を誇る"モズク"です。

コンブの消費量が日本一の沖縄ですが、さらにモズクの消費量は他県の10倍といわれています。

最近はスーパーなどでもパック詰めされたモズクが売られています。その約90%が沖縄の海で養殖されたモズクです。

モズクと聞くと、私たちは酒の肴(さかな)を思い浮かべますが、沖縄では味噌汁の具にしたり、雑炊にしたりするだけでなく、さまざまなモズク料理があり、日常ごく普通に食卓にのぼります。

なかでも面白いのは、油で素揚げにしてパリパリになったモズクをおやつ代わりに食べるのだそうです。
モズクせんべいといったところでしょうか。

コンブやモズク以外にアオサ、ヒジキなどの海藻も沖縄では日常的に食べられています。
この沖縄の食文化が沖縄の人たちの健康や長寿の要因のひとつだと言われています。

海藻が体に良いというのは、だれでも聞いたことがあると思います。

生命の源ともいえる海の中で育つ海藻には、ビタミンA(カロテン)やビタミンKなどのビタミンをはじめ、ヨウ素、カルシウム、マンガン、鉄、亜鉛、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。

海の栄養がたっぷり海藻は、海水に溶けている豊富なミネラルを吸収して育っているため、ミネラルを多く含んでいるのは当然です。まさに海の栄養分が、そのまま濃縮されているといってもよいでしょう。

さて、第二次世界大戦後、わたしたちの食生活は大きく変わり、いわゆる「欧米型」の食生活で、コレステロールや動物性タンパク質など、栄養価の高いものに変わってきました。

さらに現代人の食生活は偏食になりがちで、これがビタミンやミネラル不足の原因となり、さまざまな不調の原因にもなっています。

このビタミンやミネラル不足を補うのがコンブやモズクなどの海藻類で、海藻がからだによいとされる根拠になっています。





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