モズクは当て字で「水雲(もずく)」と書くってご存じでした?
海の潮の満ち引きの水の中で、ゆれただよう姿が雲のようでそのような当て字がついたのでしょうね。
ふだん、あなたはどのようなモズクの食べ方をしていますか?
二杯酢や三杯酢など酢醤油に生姜を加えたり、天ぷらにしたり、お味噌汁に入れたりと、メインディシュというよりは、副菜として食べることが多いのではないでしょうか。
モズクは栄養学的にはすばらしい食材なのですが、メインディッシュというよりは、小鉢などの副菜ででてくる、どちらかというとわき役なのですが、サプリメントとしては超一流の主役となるのです。
主役として活躍するのは、モズクにふくまれる「フコイダン(Fucoidan)」という成分です。
モズク豆知識
モズクは藻類の仲間で、おもに北半球・南半球の亜熱帯の海に広く生息しています。
種によっては寒流の海にも根付いてます。
藻類のなかには、淡水や陸地に生息するものがいたり、空気中を漂う特殊なものもいます。
モズクは海の中の石や岩などにくっついているものもあるのですが、ホンダワラ類に付着して生きていることから、漢字で、藻付く・海蘊・水雲と書きます。
和名ではモズクですが、地方によって呼び名はいろいろあって「もぞこ」「もうぞこ」「もぞく」などとも呼ばれます。
学名はNemacystus decipiens(Suringar)Kuckuck(ネマキスタス デシピエンス クックック)といいます。
食用に用いられるもので、日本近海では、以下のようないくつかの「属」と「種」が生息しています。
・モズク科のモズク(藻付く)Nemacystus decipiens(Suringar)Kuckuck
・ナガマツモ科のナガマツモ Chordaria flagelliformis(Muller)C.Agardh
・ナガマツモ科のイシモズク(石藻付く) Sphaerotrichia divaricata(C.AGARDH)Kylin
・ナガマツモ科のオキナワモズク(沖縄藻付く) Cladosiphonokamuranus TOKIDA
モズク科のモズクは、南端が奄美大島、北側が太平洋側の千葉県、日本海側は秋田県までの沿岸部に分布しています。
ナガマツモは、北極海をふくむ北半球の冷水域に分布していて、日本では北海道室蘭より北の太平洋側に生息しています。ナガマツモの特徴としては、他の藻と同じようにヌルヌルしていますが、噛むと軟骨のような独特の固さがあります。
イシモズクは、日本に広く分布していますが、太平洋沿岸の南部では見ることができません。
オキナワモズクは、九州南部から沖縄の八重山諸島まで生育する太めのモズクです。
現在、わたしたちが食べているのは、ほとんどがオキナワモズクです。
これらのモズクは、春に胞子が海中に放出され、発芽して雌雄の糸状体(しじょうたい)になります。
その雄雌それぞれの糸状体から放出された胞子は、受精後に藻体(そうたい)に成長します。
3か月ほどで30pぐらいに成長するのですが、食用にはもっと若いものを採取します。
ほとんどのモズク類は、満潮線と干潮線の間(1日のうちに海面下になったり干出したりする地帯)の岩や海藻に付着して生きています。
モズクは、カロリーは低くて微量元素はしっかりとふくんでいるので、栄養学的には極めてバランスのとれた食材と言えます。
たとえば2月で、1週間のうち太陽の出ない日が2日間ならば順調に育ちますが、1カ月に10日太陽の出ない日が続くと芽が落ちてダメになってしまいます。
そして、モズクには砂地からの反射光も必要です。たとえば、生育地にだんだんと藻草が生えてきて砂地の白さがなくなってくると、モズクの成長が遅れて収穫量が減ってしまいます。
モズク科のモズク(糸モズク)は、秋田あたりまで生育地として可能ですが、フコイダンの含有量や健康サポート力などの性能は沖縄モズクのほうが高いとされてます。