◆子宮のしくみと構造
子宮は洋なしを逆さにしたような形をした筋肉のふくろで、20〜40代では鶏卵ほどの大きさです。 下部1/3ほどのくびれた部分が子宮頸部で、膣に突き出した部分を外子宮口といいます。
子宮頸部の検査・診断
子宮頸部の検診
子宮頸部の表面からこすり取った細胞を顕微鏡で観察する「細胞診」が行われます。
この検査は短時間ですみ、痛みや出血もほとんどありません。
最近は、高リスク型のウイルスに感染しているかどうかを調べるHPVタイプの検査もあります。
これらの検査で子宮頸ガンが疑われたときは、さらに疑わしい部分から組織を採取して顕微鏡で観察する「組織診」が必要です。
その結果に基づき、治療方針が決定されます。
二十歳をすぎたら、症状がなくても年1回は検診を受ける必要があります。各地域の市町村で実施されている検診や人間ドックの検診を積極的に受診しましょう。
次のような人は子宮がんになりやすいといわれています。
・性的パートナーが多い人
・10代で性体験をもち、若いころに妊娠・分娩の経験がある人
・妊娠や分娩の回数が多い人
<細胞診>
子宮ガン検診で一般に行われている検査です。
子宮頸部の内壁を綿棒または木製のへらなどでこすって採取した検体(?離細胞)を、ガラスに塗りつけ固定し染色して、顕微鏡で観察して、異常な細胞がないかをしらべます。
細胞を直接見て判定するので診断精度が高いです。
細胞診で異常な細胞が見つかった場合は、さらにつぎのような精密検査を行います。
<膣拡大鏡検査>
酢酸を子宮膣部にひたして膣拡大鏡(コルポスコープ)で観察します。
<組織診>
疑わしい部分から組織片を一部切除して、組織診(パンチバイオプシー)を行ない、病理組織学的にしらべます。
以上の細胞診、膣拡大鏡検査、組織診などの結果を総合して診断します。
さらに必要があれば、子宮頸部の病変部分を円すい状に切り取って、顕微鏡で調べます。
(診断的円すい切除術)